麹とは? みそに使われる麹
みそに使われる麹(こうじ)には、米・麦・大豆の3つがあります。
それぞれに麹菌を付着させて米麹、麦麹、豆麹となります。どの麹を使って熟成させたかで米みそ、麦みそ、豆みそと呼ばれます。
米麹
うるち種の白米に麹菌を付着させた米麹です。米麹を使ったみそが米みそです。
生の麹と乾燥させた麹があります。
生麹は麹菌が生きており時間がたつとどんどん発酵が進みますので、冷蔵で1週間、しばらく使わない場合は冷凍保存が必要です。冷凍でも1ヵ月程度で使うようにしましょう。
麹専門店で手に入れるか、スーパーでは伊勢惣のみやここうじは見かけたことがあるかもしれません。
麹蓋(こうじぶた)というトレイで製麹するので板状で、湿度が保持されており、麹菌のふわふわの菌糸が米の周りに付いています。
乾燥麹は流通用に乾燥させたもので、乾燥によって麹菌を休眠させている状態です。乾燥しているので米粒がばらけています。
スーパーやwebショップで手に入ります。
玄米に麹菌を付着させると玄米麹になります。
玄米は糠(ぬか)が残っているので表面が硬く、麹菌がつきにくいので玄米麹をつくるのは表面にあえて傷をつける必要があったりとひと手間かかります。写真は生麹です。
出来上がった玄米みそはコクが深く香り豊かでとてもおいしいですよ。
麹専門店で玄米の生麹が手に入ります。乾燥麹だと発芽玄米のものが出ています。
麦麹
丸麦に麹菌を付着させたものが麦麹です。麦麹を使ったみそが麦みそ です。
写真は生の麦麹です。
麦麹も生と乾燥の両方がありますが、探しましたがスーパーではなかなか見つかりません。
麹専門店なら生の麹が手に入ります。webショップでは乾燥麦麹があるようです。
豆麹
大豆に麹菌を付着させたものが豆麹です。豆麹に塩を混ぜて長期発酵させたものが豆みそです。
写真は生の豆麹です。
一粒一粒に菌糸がまとわれていて、食べると乾燥した納豆のような歯ごたえ。香ばしい味がします。栗の味と表現する人もいます。
さすがにスーパーではないですね。すずなは麹専門店から生麹を購入していますが乾燥麹も売られています。
合わせ麹
米と麦、米と豆など2種類の組合せで合わせられた麹のことを合わせ麹といい、調合みそ に使われます。写真は米麹と麦麹の合わせ麹です。
麹になってから混合する場合と、2種類の麹原料を混ぜて製麹する場合があります。麹原料の比率によってみその味が変わってきますので、みそ製造者の腕の見せどころになります。
麹・糀・こうじ
発酵業界で使われるコウジの漢字には、麹と糀があります。
どちらもこうじですが、何が違うのでしょうか。
麹
中国から伝わった漢字です。
平安時代の漢和辞書『類聚名義抄(るいじゅみょうぎしょう)』に麹の字が載っています。
米や麦などを蒸して麹室(こうじむろ)に置き、こうじ菌を繁殖させたものです。酒・みそ・しょうゆなどの醸造原料となります。酒造りの場合は酒母(しゅぼ)と呼ばれます。
麹室で麹をつくることを製麹(せいぎく)といいますが、麹は訓読みで「きく」なんですね。まさしく原料(米・麦・豆など)に菊の花が咲いたようにこうじ菌が繁殖している様です。
また製麹のタネ菌であるこうじ菌(コウジカビ)のことを麹と呼ぶこともあります。
糀
この漢字も見かけますが、こちらは明治期に日本でつくられた和製漢字(国字)です。
こちらも麹菌を繁殖させたものですが、字のとおり米に花が咲いたように菌が生えている状態をいいますので、原料は米の場合のみをさすことが多いようです。
こうじ
ひらがなで こうじ と書かれているものもあります。
消費者庁の みその定義 です。