郷土みそ と 登録商標

郷土みそのジレンマ

郷土みそ と 登録商標

みそソムリエとはいえ、他所者の私がみそ公式サイトやみそソムリエのテキストを参考にしながらとはいえ、断定的に○○みそです、と紹介してしまうのは正直「申し訳ありません!」と思っています。

 

郷土みそで区分されているのは、もちろん地域ごとの特徴あるみそなのですが、ほとんどは登録商標を取得しています。
そのほとんどは各都道府県の味噌醤油工業協同組合が申請・登録した地域団体登録商標。一部、一企業が郷土みそっぽい名称を商標登録していたり、一個人の名前で登録されていても、きっと地域の振興協会のような立場の方なのだろうな、と思える方が商標登録しています。

 

商標は一般に登録から10年を有効期限としますが更新は可能なので、「先に登録しちゃったもん勝ち」というのが悲しい現実。

 

国内に限らず、外国企業が日本ブランドの商標を先に自国内で商標出願・登録してしまう例がありましたね。出願なり登録されてしまったら商標侵害になるので同じブランド名では売ることができません。

 

また、ご存知と思いますが現在の都道府県境は、江戸時代の旧藩のものと完全に一致するわけではありません。県名と県庁所在市名、また新幹線の駅名をめぐって、旧藩名や地域名を使うか、新しい名前をつけるか、地域内で喧々諤々の話し合いがあった…などなど。
だから郷土みその分布も、現在の都道府県のくくりできっちり分けられるものではありません。

 

たとえば南部みそはおそらく青森県東部〜岩手県を藩域とした南部といわれる地域のみそで県をまたいでいますし、会津みそは福島県の会津地方のみそ。広島県だって東の府中みそと瀬戸内麦みそとあります。

 

逆に郷土みその名称でも商標登録されていないのもあります。現在申請中なのか、そのまま商標は持たないのか…。

 

そして同時に、みそは全国でつくられているのに郷土みそに登場しないエリアや県もあるわけです。山陰地方は出てこないけど…?? 北関東は米みそエリアになっているけど、実は麦みそも多い。関西白みそや九州麦みそってひとくくりにされているけど、北から南まで同じなのか ??

 

そもそもそんなに厳密にココからココまで、とはっきりさせるのはとても難しい。それを探っていくのも みそソムリエの一つの役割と思いますが、ともかく、地域の顔となるものには愛着のある名称で全国に知らしめたいもの。ですよね、やっぱり。

 

まだまだ勉強途中ですが、きっと隣県の味噌工業協同組合どうし、そして味噌工業組合の内部でもいろいろ協議して調整して商標を申請して、みそ健康づくり委員会(もしくは全国味噌工業協同組合連合会)が今の区分に総まとめしたのね、きっと…と想像しながら、郷土みその分布はそういうものだということを前提に、登場しない地域についても「わかってますヨ! そしてがんばって!」と愛とエールをもって郷土みそを紹介させていただきます。

 

今後も地域の味噌工業協同組合による商標登録によって郷土みそは増えるかもしれませんね。

 

「日本列島は世界地図の縮図」といわれるくらい日本は気候や風土の変化に富んでいます。
地域おこしにみそも大事な一役、かってもらいたいものですね。

 


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