『便利につかわれている古典・昔話の夢』 杉山弘道 | 味噌と夢判断

『便利につかわれている古典・昔話の夢』 杉山弘道

『便利につかわれている古典・昔話の夢』杉山弘道

 

『便利につかわれている古典・昔話(民話)の夢』

 

 

1962年(昭和37年)に新潟大学医学部を卒業し、医師として勤務経験のある日本内科学会、日本認知症学会に所属する杉山弘道氏の著者。

 

今昔物語や源氏物語、更級日記、宇治拾遺物語など平安時代から江戸時代の奥の細道まで、夢について書かれた75の話や場面を分析して、託宣夢、怨霊夢、予知夢、など19に分類しています。

 

「味噌買い橋」が新潟県に伝わる民話としてとりあげられており、託宣夢・告知夢に分類され、託宣夢・告知夢には「味噌買い橋」を含めて14の話が分類されています。

 

全編を通じて"物語で主人公が見たという夢は、本当に夢で見る可能性があるか"をテーマに論じられており、「味噌買い橋」ほか3つの民話について、まだ夢から覚めていないところで終わっている、としています。

 

お金持ち状態にある間はなお夢のなかで、現実に戻ってはじめて完全に夢から醒めるはずですから、したがって、ご託宣は、『夢のなかでさらにみた夢(夢のまた夢)』でのものとなります。 

 

ふーむ。昔話に「目が覚めたら、現実がそこにあった」というオチは多いと思いますが、「味噌買い橋」もその類で、オチまで伝え語られていないというのが著者の解釈ですか。

 

異議を唱えるつもりはまったくありません。
夢分析の本書、かたや みそがテーマの当サイトです。
昔話に出てくる橋の名前が「味噌買い橋」というだけでどんな内容かと手を広げていっただけですが、貧しいけれど正直者の長吉さんが裕福になったら、"正直であれ" "欲張るな" というメッセージが込められたよくある寓話で、昔話としては安定感あるなあと思っていました。

 

杉山氏の解釈は『まんが日本昔ばなし』世代としては少し寂しいですが、心理分析や夢判断の材料に「味噌買い橋」がとりあげられるのはそれだけ有名な話と捉えておきます。

 


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