『酒と肴と空の旅』池波正太郎 編 | 随筆の中の味噌みそ

『酒と肴と空の旅』 池波正太郎 編

『酒と肴と空の旅』 池波正太郎 編

 

『酒と肴と旅の空』 (光文社知恵の森文庫)

 

 

著名人たちによるエッセイ編。タイトルに"旅の空"とあるように、日本に限らず旅して見つけた美味しいものと文化について随想。

 

「コロンブスのれんこん」江國 滋著
熊本名産のからし蓮根にハマったときの話。蓮根の穴の中や周りに付けているからしは、からしみそです。細川藩三百年の家伝栄養食で、その製法は長く門外不出にされていたとか。細川家のお許しを得て市販化されたそうです。

 

「あつあつのごはんでたべたら頬がおちるようであった。」

 

からし蓮根はからしの辛味がどの程度か不安かもしれませんが、甘めの麦味噌を使うからでしょうか、辛味は気にならずにおいしいと思います。

 

「スンバラ味噌」 川田順造著
味噌とありますが日本のみそではなく、西アフリカのスンバラという味噌のようなもの。マメ科のドアーガという実を煮て発酵させたもので、塩は貴重なので入っていない。
現地の食事の汁もののベースに欠かせないのが、スンバラだそうです。

 

「スンバラ独特のムッとするにおいも、味噌と同じで、馴れるとこのにおいがないとものたりなく思うほど好きになる。」

 

好みで塩やスパイスを搗いて入れるそうですが、おみそ汁と同じようにこれも家庭によってきっと少しずつ味が違うのでしょうね。

 


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