『鬼平犯科帳』 池波正太郎
11巻に収められている「泣き味噌屋」。
いろいろ慣用句やことわざはあるけれど、こんなところでも味噌の単語が使われるんですか…!
時代劇ドラマはTVから姿を消してしまいましたが、勧善懲悪、最後はハッピーエンド。笑顔の結末は途中ハラハラドキドキしても安心して観ていられます。この巻を読むときも中村吉右衛門さん演じる長谷川平蔵をイメージしながら読ませていただきました。
女房を無残に殺された同心が敵討ちで死を覚悟して…。泣き味噌屋と陰で言われた同心が、事件を境に一目置かれるようになったけど、やっぱり泣き味噌屋っぷりは変わりなかった…。
味噌がマイナスイメージに使われるのは残念ですが、現代の科学捜査とはかけ離れた江戸時代の捕物帳。現代でも有効に使われている味噌言葉はずいぶん少なくなったと思うので、人をたとえるのにも味噌が使われているのは発見でした。