保存料などの添加物を入れず、安心して食べられる自家製みそ。
大豆の産地や塩など原材料にこだわりを持てるのも楽しめるポイントです。
自家製みその出来上がりのおいしさと言ったら!
「手前みそ」ですが自画自賛。思わず親せきや友達に配りたくなっちゃいます。
手順はむずかしくありません。
さっそく仕込みにとりかかりましょう。
手づくりみその仕込み
出来上がり2.5kg程度のみそを仕込みます。
まずは一般的な米みそを作ってみましょう。麦みそも同じ手順でつくれます。
材料
米麹 |
1kg |
生大豆 |
500g |
塩 |
295g |
水 |
適宜 大豆をゆでるためのもの |
焼酎、麦焼酎 (アルコール度数35度以上のもの) |
適量 |
化粧塩 |
適量 |
道具
大豆を煮る | なべ or 圧力鍋 、ざる |
大豆と麹を混ぜる | ボウル(全量が入るのが望ましい) or 飯台 |
大豆をつぶす | マッシャー or ガラス瓶と厚手のビニル袋 or フードプロセッサー |
熟成保管する |
ポリ容器 or |
ラップ |
みそ仕込みの大まかな手順
ざっと流れはこのようになります。
前日
- 大豆を水に漬けて浸水させる。
- 麹と塩を混ぜて冷蔵保管しておく。
当日
- 大豆を煮る。
- 大豆を潰す。
- 潰した大豆と、前日に準備しておいた麹を混ぜる。
- 容器に詰める。
- 保管する。
約1ヵ月後
- 天地返しをする。
3〜6ヵ月後
- 食べる。(笑)
以上!
では手順の詳細についてみていきましょう。
みそづくりの前日
1.大豆全量をよく流水で洗います。
2〜3回は水を入れ替えて洗うとよいです。
写真ではわかりにくいですがけっこう汚れているんです。
2.洗った大豆を3倍量の水に浸します。
浸水時間は夏は12時間、冬は18時間以上になるようにしてください。
浸水を十分にすることで大豆がふっくらと炊き上がり、みその出来がよくなります。
十分に浸水するとこのくらいふくらみます(右が浸水18時間)。
高さではこのくらいになります。
〔画像〕
翌日何時頃からみそづくりを始めるか(もしくは何時には終えたいか)を逆算して大豆の浸水を始めましょう。
大豆の浸水の時間、蒸し煮の時間、その後大豆を潰して麹を混ぜて…という作業時間を逆算して余裕を持って準備を始めてください。
3.麹に塩を混ぜ合わせておきます。
これを塩切(しおきり)といいます。両手でていねいに混ぜましょう。
生麹は塊になっているところがあるのでほぐしながら塩と混ぜます。塩切することで生きている麹の活動をとめ発酵が進んで熱を持たないようにします。
塩切した麹です。
生の麹は要冷蔵です。塩切した麹もビニル袋に戻し、冷蔵保管しておきましょう。
仕込み当日 大豆をゆで始める
一晩つけた水は取り替えて、十分な水でゆでましょう。
すぐに泡状のあくが出ますので吹きこぼれに注意! フタをすると吹きこぼれるのでフタはしません。
あくは丁寧に取り除いていきます。
煮る時間は豆の状態にもよりますが4〜5時間です。
煮ている間はあくを取ることと、途中蒸発して水分が減るので、豆の頭が出ないよう適宜お湯をつぎ足します。
もし途中でちょこっと用事が入ったら…火を止めて、再度煮るので大丈夫です。大豆はちゃんと煮あがります。圧力鍋だと時短になりますね。
そろそろ煮えてきた頃…。
ゆで上がり具合を確認します。
指でつまんで潰してみます。熱いので火傷しないように!
潰した時にパカッと二つに割れてしまううちはまだ煮足りません。そのまま煮続けましょう。
潰したときにこのように くにゃっと潰れればオッケーです。
火をとめて大豆をざるにあけ、少し冷まします。
このとき大豆のゆで汁(種水といいます)はあとで使うので400cc程度捨てずにとっておきます。
種水(たねみず)はこんな色です。けっこう濃くて大豆の色素が出ていますね。
ゆでた大豆を潰す
あまり冷ましすぎると潰しにくくなるので、まだ温かいうちに潰し始めます。
大豆の原型そのままのものが残らないように潰していきます。
潰し方は如何様にでも。
@ビニル袋に入れて手で潰す方法。
A厚手のビニル袋に入れて瓶で潰す方法。
瓶の口が細くて握りやすいワインの瓶などがよいです。ビニル袋が破れないように潰しましょう。
Bマッシャーで潰す方法
Cフードプロセッサーで潰す方法
ここで多少大豆の形が残っていても大丈夫ですが、丸々粒の形は残らないようにしましょう。
大豆を潰すことで麹菌の酵素が働く面積が広くなり、熟成しやすくなります。
初めてつくったときは体験講座で少量の仕込みだったので手で潰しました。けっこう力技です。その後、手や足で踏んでみたり、瓶で潰してつくり、マッシャーを使い、現在はフードプロセッサーを使っています。
潰した大豆と塩切した麹を混ぜる
大豆を潰す作業をしているうちに冷めていると思いますが、35℃以上の場合はそのまま麹を混ぜてしまうと酵素がうまく働かなくなるため少し冷ましてください。
温度計がなくても大丈夫です。体温が約36℃ですから、触って温かく感じたら冷ましましょう。人肌程度が最適です。
ムラにならないよう両手でよく混ぜます。
潰した大豆はペースト状です。ハンバーグや餃子の具を練る時のように思い切ってしっかり混ぜ合わせてください。
〔画像〕
混ぜながら潰れていない大豆があったら手で潰してください。
よく混ざったら硬さが耳たぶくらいになっているか確認します。
潰している間も混ぜている間も水分が蒸発していきますし、乾燥麹を使うと水分が吸収されて硬くなりますので、残しておいた種水を様子を見ながら入れて調節してください。
もし種水を捨ててしまっていたら、湯冷ましを使えば大丈夫です。
発酵醸造用の容器に詰める
こんな容器に詰めようと思います。100均で470ミリリットルの密封できる容器です。
この容器にしたのは半透明で中が見えるのと密封できるからです。
半透明なのでみそをつめ具合が見られ、発酵醸造中も出来具合の色がわかります。また密封できるので空気に触れずに腐敗しにくいからです。
容器は消毒のため内側に焼酎を塗ります。手のひらを使って塗るので大丈夫です。
新品の容器ならもちろんその前に洗剤で洗っておいてくださいね。
大豆と麹を混ぜ合わせたみその素を直径6〜7センチ程度(野球ボール程度)の玉状にまとめていきます。このくらいの大きさです。これをみそ玉といいます。
みそ醸造用ポリ容器にみそ玉を入れていきます。容器の内側に焼酎が塗ってあります。
間に空気が入らないよう、押しつぶしながらしっかり重ねていってください。
入れ終わったら表面を平らにし、容器の周りをキッチンペーパーできれいに拭っておきます。周りに付着したところから腐敗が始まることがありますのできちんと拭いましょう。
表面に化粧塩をまきます。腐敗を防ぐためです。特に周辺の容器に触れているところを多めにしましょう。化粧塩は多すぎると塩分が多くなりますので適宜にしてください。
表面にラップをしてみその素が空気に触れないようにします。
完成!
この容器では出来上がり2.5kgの分量だと余裕ありすぎでしたが大丈夫です。
直射日光が当たらない風通しの良い場所に静置してください。
湿気の多い場所や熱くなる場所、埃っぽい場所は避けましょう。
約1か月後 天地返しで発酵をうながす
1か月程度たったら天地返し(切り返しともいいます)をします。
簡単にいえば、みその素をかきまぜて内部に空気を入れ、発酵が均等に進むように手を入れることです。菌に呼吸させます。
〔画像〕
その後、1ヵ月に1回はみその様子を確かめましょう。
万が一、腐敗しているのを見つけたらすぐに手当てが必要です。
みその表面に白いポツッとしたものはアミノ酸の塊ですので問題ありません。
毛羽立った赤や緑色のふくらみのあるものはカビですので取り除いてください。
表面のカビを取り除けば、残りのみそは食べられます。
3か月〜半年で食べごろ
半年後に出来上がったみそ(玄米麹)
自宅に保管して食べごろになるのは3〜6ヵ月程度たつ頃です。
仕込みの季節や保管の環境によって変わりますので、時々味見をして状態を見ながら判断してください。
ウチでは3ヵ月、5ヵ月あたりだと大豆の香が強くて「まだ若い」という印象です。
こんなかたちで友達におすそ分けできます!
使ったのは100均で700ミリリットル容器4個セットの、市販のみそパックと同じような容器です。
お店で売っているみそとはまた違う、なんともいえないみその香りでおいしいですよ。
仕込み量が少ないのでプレゼントはほどほどに…。(^-^)